12月7日       ホークアイ視点      





一昨日、昨日と大佐無能の日が続いて困っていたけど、      
今日は珍しく有能な日。
天気は大雨で、おまけに雷まで鳴っているのに、まるで
大佐の周りだけ青空が広がっているかのように、
機嫌よく朝から休みもせずに書類を捌いている。
先程から目を凝らしているのだけど、どう見ても高速で動く 
大佐の手が10本に見えて仕方がないわ。
何故こんなに大佐がやる気を出しているのか。
理由はただ一つ。仕事が終わったら、エドワードちゃんの
家庭教師をするからだ。一分一秒でも早くエドワードちゃんに
逢いたいから、仕事を終わらせようとする大佐の心がけは立派です。      
しかし!14歳も年下のエドワードちゃんに夢中になっている姿は、
思いっきり犯罪者。やはり、ここは私が天誅を・・・・・。
そっと銃に手を伸ばす私の肩を、ジャンがポンと叩く。
「中尉、飴と鞭ですよ。」
「・・・・・それもそうね。」
私は銃から手を離すと、大佐を溜息をつきながら、見つめる。
エドワードちゃんをエサに使うのは、心苦しいけど、
仕事が滞るのも、問題だわ。
それに、何だかんだ言っても、幸せそうな大佐の顔に、強硬手段が
取れないのよね。・・・・・・・・私も修行が足りないわ。