LOVE'S PHILOSOPHYシリーズ 【お子様編】
always give my love to you
前編
「大人のクリスマスデートって、どんなの?」
無邪気な天使は、中央司令部内を恐怖の
どん底に突き落とした。
「なんだと!!フェリシアがっ!!」
若き大総統、ロイ・マスタングが、その事を
知ったのは、悪友のヒューズ副総統からだった。
「ああ、ここ数日、フェリシアちゃんが、ここに
来て、片っ端から若いのを捕まえて、大人の
クリスマスデートについて、あれこれ聞いて
回っているぞ。」
その言葉に、フェリシアを溺愛するロイが、
血走った眼でヒューズの胸倉を掴むと、がくがくと
身体を揺さぶった。
「あの子はまだ15歳だぞ!!何でクリスマスの
しかも、大人のデートの事を聞きたがるんだっ!!」
「んなの、俺が知るかよ。」
ヒューズはロイの手を振り払うと、乱れた服を直す。
「ああ!!フェリシアはきっとその変な男に騙されて
いるんだ・・・・。」
両手で髪を掻き乱しながら、ロイは大総統室の中を
まるで熊のように、グルグルと回りだす。
「落ち着けって。フェリシアちゃんも、春が訪れた
んだから、父親として・・・・・。」
「祝福なんて出来るかっ!!」
ロイは血走った眼で親友を睨む。そんなロイに、
ヒューズは呆れたような顔を向ける。
「あのよ、ロイ。娘の幸せを考えてやれよ。」
「そんなのいつも考えているさ。あの子は絶対に
嫁になど出さん!!」
拳を握って力説するロイに、ヒューズはこりゃ駄目だと、
溜息をつく。
「よし!ヒューズ、20歳から上で今独身の男を、
全て召集しろっ!!」
ロイの命令に、ヒューズは首を傾げる。
「はあ?何でだ?っていうか、流石に無理だぞ。
それは。」
それでなくても、この次期はみな忙しいのだ。
大総統の個人的命令に付き合っている暇はない!
「何を言う!可愛いフェリシアを誑かす男を見つけ出して、
消し炭にするためだっ!!協力しろ!ヒューズ!!」
「公私混同も甚だしいな・・・・。」
ボソリと呟くヒューズに、ロイはギロリと睨みつける。
「第一、15歳の少女に、大人のデートを強要する
時点で、その男はおかしい!!」
「・・・・その言葉、そっくりそのままお前に返すぞ。」
当時15歳だったエドを無理矢理犯して、孕ませた
男に言われたくないだろう。
「ふん。私とエディは愛し合っているから、何の問題も
ない!!」
自分の事は棚に上げて胸を張って主張するロイに、
ヒューズは、一瞬殺意を覚えた。
「おまえなぁ・・・・・・。」
何か言おうとするヒューズに、ロイはにこやかな笑みを
浮かべて、両肩に手を置く。
「ヒューズ。私と君は親友だな。」
「・・・・親友を辞めていいか?」
ヒューズの一言に、ロイの手に力が込められる。
「し・ん・ゆ・うだな!!」
「いてぇ!!判った!判ったから!!手に力を
込めるのは止めろ!!俺とお前は親友だ!!」
途端、ロイの手から力が抜けて、ヒューズは
そのすきに間合いを取るべく、後擦さる。
「素直なヒューズは大好きだよ。」
はっはっはっと高笑いするロイに、ヒューズはがっくりと
肩を落とした。
「さて、早速聞き込みを開始するぞ!!」
嬉々として執務室を出ようとするロイに、ヒューズは
慌てて止める。
「ちょっと待て!!こんな白昼堂々と執務室から
出て行くと、ホークアイ少将の怒りの銃弾が!!」
「そのことなら大丈夫だ!」
自信満々に答えるロイに、ヒューズはおお!と
驚きの声を上げる。
「何か良い方法が!!」
「お前が私の振りをして、そこで仕事をすれば、
いいだろう。幸い同じ黒髪だしな。ああ、メガネは
外しておきたまえよ。」
高笑いをしながら、今度こそ部屋を出て行こうとする
ロイの襟首を掴むと、ヒューズはこの世のものとも
思えない必死の形相で、ロイを睨みつける。
「ちょっと待て。俺にあの銃弾の雨を被れと。
そう言うのかな〜。ロイ君。」
お前、それでも俺の親友か!?と詰るヒューズに
負けじと、ロイも悪魔の笑みを浮かべて応戦する。
「親友なら、私の為にここは、自分に構わず先を
急げという場面ではないのかね?」
「いやいや。お前が俺の親友ならば、ここは
俺1人を置き去りにせずに、死ぬときは一緒だ!
一緒に行こう!くらいは言うだろう。」
「フン。何が一緒に行こうだ。この前、お前は
私を見捨てて、さっさと仕事を定時に上がらせた
だろう。あの後、私は早く帰れずに、エディと子ども
達を悲しませたのだぞ!親友なら、仕事を手伝って
も良かっただろうが!」
「はっ!それこそ、言いがかりも良いところだ!
第一、仕事を溜めたのは、お前が処理能力が
遅いせいだろ!?俺はちゃんと自分の分は自分で
終わらせたんだ!それに定時で上がって何が悪い!」
踏ん反り返るヒューズの胸倉を、ロイは掴む。
「何を言う!お前が散々自分の家族自慢をして
私の仕事の邪魔をしたからだろう!!」
ヒューズは、ロイの手を振り払うと、睨みつけた。
「その前の日は、お前が俺に散々家族自慢を
して、俺の仕事を滞らせたからだろ!仕返しだ!!」
国のトップと言うより、ただのガキの喧嘩に成り
果てている事に気づかずに、2人の争いは
ヒートアップしていく。
「第一、お前には、私は随分便宜を図っているんだぞ!
エリシアにしつこく言い寄る男どもを、辺境の地に
飛ばしてやっているではないかっ!!」
「それを言うなら、俺だってお前の為に色々と
してやっているだろ!!エドを初め、フェリシアと
レオンの日常の行動を細かく毎日報告させている
だろうがっ!!」
権力を私情で使いまくる国のトップ2人。
この国は、本当に大丈夫なのだろうか。
「そうだ!そこだ!!」
ビシッとロイはヒューズに指を突きつける。
「何でフェリシアの行動を事細かく毎日報告させて
いるのに、今回のフェリシアの行動が、今になって
発覚するんだ!!さては、今まで適当な
報告をしていたな!!」
「だーっ!!それは、お前に問題があるんだ!」
ヒューズは頭をガシガシ掻きながら叫ぶ。
「私が何を!」
「お前が家族に対してストーカー行為をしている
くらい執着しているからだろうがっ!!特にエドと
フェリシアが絡むと、お前は常軌を逸した行動を
起こすからな。それを怖がって、自分がフェリシアに
質問を受けましたという報告をするわけない
だろうがっ!!」
ヒューズの言葉に、ロイの目がキラリンと光った。
「つまり、フェリシアの報告書作成者は全員
容疑者という訳だな。」
「容疑者って・・・お前、犯罪を犯したわけでは
ないだろ?」
「私のフェリシアに声をかけてもらえること事態、
私には許せる範疇を超えている。」
踏ん反り返るロイに、ヒューズは呆れた声を出す。
「お前、いい加減。子離れしろよ・・・・。」
「お前に言われたくないな。ヒューズ。」
ロイの言葉に、ヒューズはカチンとなる。
「言っておくが、俺はお前ほどストーカーを
していないぞ!」
「ほう?軍隊入隊後の最初の試練は、ヒューズ
副総統の【俺のエリシアちゃんに近づく野郎は、
全員ナイフの餌食だ!!】という、実演付きの脅しを
聞く事だと言われているのを知らんのか?」
肩を竦ませるロイに、ヒューズはニヤリと笑う。
「そう言うお前は、大総統の特権をフル活用して、
入隊後に行われる【軍に忠誠を誓う儀式】の項目に、
【大総統の家族に近づく者は、消し炭になっても
不服を言いません。】など色々と盛り込んでいるだろ
がっ!!」
「お前のように、実演しないだけマシだが?」
「何を言う!俺は親切に警告をしているだけだ。
お前のように、有無を言わさず制裁を加えないだけ
マシだろうがっ!!」
両者一歩も譲らずに、ギリリと睨みあう中、
ニ発の銃声が、執務室に響き渡った。
「・・・・お2人とも、そこまでです。」
ギギギギ・・・・と、まるで油の切れた機械のように、
ロイとヒューズが扉の方を振り向くと、そこには、
二丁の銃を手に、仁王立ちした、リザ・ホークアイ
少将が、ニッコリと壮絶な笑みを浮かべて、
立ちはだかっていた。
「ホ・・・ホークアイ少将・・・・・。」
冷や汗を垂らしながら、ロイはニッコリと微笑むと、
そそくさと、自分の机へと戻る。
「・・・・・ロイ・マスタング大総統。」
フルネームでの呼びかけに、ホークアイの怒りの
程が知れて、他人事ながら、ヒューズは、震え上がる。
「なにやら、楽しいお話のようでしたが・・・・。」
仕事を抜け出すと聞こえたのは、私の気のせいですよ
ねと、爽やかな笑みのホークアイの後ろから、ブリザート
が吹き荒れていて、ヒューズは、コソコソと部屋から
出て行こうとしたが、その前にホークアイに捕まる。
「マース・ヒューズ副総統。どちらへ?」
「いや!その・・・!仕事に戻らなければな!!」
はっはっはっと、笑いながら、部屋を出て行こうと
するヒューズに、ホークアイはニッコリと微笑む。
「そうですか。それでは、早く仕事へと戻って下さい。」
「お・・おう!じゃあな!ロイ!!」
助かったとばかりに、慌てて部屋を飛び出すヒューズに
ロイは慌てて呼び止める。
「待て!!ヒューズ!!」
私を置いていくな!というロイの訴えは、ホークアイの
銃の脅しによって、退かれた。
「何か、副総統に御用でも?」
用件なら、私が聞きますが?というホークアイに、
ふと、ヒューズが駄目なら、このホークアイがいたと
ばかりに、目を輝かせた。
そう。ホークアイはフェリシアの交友関係に特に
目を光らせていた。それは、実の弟のように
思っていたエドが、実は女だったと知った時には、既に
14も歳の離れた上官に、妊娠させられていたと
いう過去を持つホークアイが、せめてフェリシアだけは
まともな恋愛をして欲しくて、日々フェリシアを暖かく
見守っているのだ。そのフェリシアに悪い虫がついている
かもしれないと知れれば、ホークアイの事、自分に
喜んで力を貸すに違いない!そう確信したロイは、
真剣な表情でホークアイを見た。
「大切な用事なのだよ。私のフェリシアについてだ。」
「フェリシアちゃん?」
案の定、ピクリと反応するホークアイに、気を良くした
ロイは、切々と訴えた。
「どうも、私のフェリシアに言い寄る悪い虫がいる
らしいのだよ。しかも、相手は大人の男らしい。」
「・・・・・詳しくお話を伺いましょう。」
フフフ・・・・と黒い笑みを浮かべるホークアイに、
ロイは満足そうに頷くと、ここ最近のフェリシアの
行動について語った。
「・・・・つまり、フェリシアちゃんが、大人のデートに
ついて聞いて回っているのは、年上の恋人が
いるからだと、そう仰りたいのですね?」
こめかみに手を当てながら、ホークアイは溜息を
つきつつ、ロイに確認する。
「ああ、絶対にそうだ!!まだ15歳のフェリシアに
大人のデートを強要する男など、碌な人間じゃない!
父親として、娘を誑かしている虫を排除すべく・・・・。」
「仕事を放り出して、男を捜すと、こう仰るのですね?」
にっこりと微笑むホークアイに、期待を込めて、
ロイは大きく頷いた。
「この無能!!」
「うわあああああ!!」
至近距離からの、ホークアイの攻撃に、ロイは
紙一重の差で、何とか避ける。
「危ないではないかっ!!」
半分涙目になるロイを、冷ややかな目でホークアイは
見下ろす。
「その件に関しましては、ちゃんとフェリシアちゃんから
事情を聞いています。」
「何だと!?君はこの理不尽極まりない話を聞いて、
止めなかったのかね!?」
「・・・・・・・大総統、仕事をして下さい。終わらせたら、
フェリシアちゃんからの手紙をお渡しします。」
ホークアイは、銃をロイの額にピタリと押し当てる。
「なんだね。手紙というのはっ!!」
「全ては、仕事が終わってからです。いいですね!!」
絶対零度の微笑みを浮かべたホークアイに、
ロイは命の危険を感じて、ガクガクと頷くと、ハイスピードで
仕事を片付けていった。
「お祖母ちゃま!!」
ホームに降り立ったフェリシアは、迎えに来た祖母の
ソフィアに気づくと、手を振りながら、駆け出した。
「ちょっ!!姉さん!」
後ろで、荷物を持っていたレオンが、駆け出した
姉に慌ててホームに下りると、姉の後を追いかけた。
「フェリシア!レオン!!良く来たわね!!」
胸に飛び込んでくるフェリシアを抱きとめると、ソフィアは、
フェリシアの頬にキスをすると、後から来るレオンにも
キスをする。
「こんにちは。お祖母様。お出迎えありがとうございます。」
ペコリと頭を下げるレオンに、フェリシアも慌てて頭を
下げる。
「お祖母ちゃま。挨拶が遅れてごめんなさい。今日から
一週間、宜しくお願いします。」
「うふふ。そんなに畏まらなくてもいいわよ。で、
計画は上手くいきそう?」
ソフィアは、フェリシアとレオンを連れ立って、改札へと
向かう。
「うん!ちゃんと大人のデートってどんなものか、
色々とリサーチしたから、バッチシ!!後は、
お父様次第だと思うわ!」
嬉々として成果を報告する姉に、レオンは苦笑しながら
ソフィアに言う。
「姉さんったら、まるで自分がデートするみたいに、
ここ1ヶ月の間、すごく浮かれててさ、父さんと母さんに
バレるんじゃないかって、俺の方が冷や冷やしたよ。」
その言葉に、フェリシアは、ムーッと頬を膨らませる。
「・・・そりゃあ、お母様には、すぐバレちゃったけど、
でも、お父様には全然バレてないからいいじゃない!」
そんなフェリシアに、ソフィアはクスクス笑う。
「まぁまぁ、姉弟喧嘩はそれくらいにしなさい。
それよりも、お祖母ちゃまは、あなた達の事が
聞きたいわ。学校はどう?楽しい?お友達は?」
「学校はとても楽しいわ!そうそう、この間なんだけど
ね、友達の・・・・・・。」
先を争うように近状を報告する2人を、ソフィアは、
嬉しそうに聞きながら、家に向かって歩き出した。
「・・・・お疲れ様です。これで本日の業務は
全て完了です。」
ホークアイの徹底した監視の元、ロイは驚異的な
スピードで仕事を終えたのは、既に夜中の11時を
回っていた。
「これで、明日と明後日の二日間のお休みは、
確保されました。」
ホークアイの言葉に、ロイはガバッと顔を上げると、
両手を差し出す。
「ホークアイ少将、フェリシアからの手紙を!!」
早く早くと急かすロイに、ホークアイは、溜息を
つきながら、胸のポケットに入れていた、フェリシア
からの手紙をロイに差し出す。
「ありがとう!」
慌てて封を開けると、2枚のお芝居のチケットと一枚の
手紙が入っていた。
「親愛なるお父様へ。明日の朝11時に、イーストシティ
の広場にある、大時計の前に必ず来てください。
私とレオンからの、ささやかなクリスマスプレゼントが
待っています。なお、薔薇の花束は絶対に持って
来てくださいね!!フェリシア・マスタング。レオン・
マスタングより。・・・・・・なんだね、これは・・・・。」
困惑気味のロイに、ホークアイは書類を調えながら、
言った。
「読んで判りませんか?」
呆れたようなホークアイの様子に、ロイは考え込む。
「まるでデートの誘いのようだが・・・・。」
「ようだが、ではなくて、デートのお誘いです。」
溜息をつく、ホークアイに、ロイは首を傾げる。
「それにしては、文面がおかしいが・・・・。クリスマス
プレゼントが待っているとは・・・・・。」
これは錬金術の暗号なのかと考え込むロイに、
ホークアイは、この錬金術オタクめっと睨む。
「ここまで鈍感で、良く大総統の地位につけましたね!
もういいです!全部お話します!!」
切れたホークアイは、腰に手を当てると、ロイを
睨み付ける。
「いいですか!良く聞いてください!!これは、フェリシア
ちゃんとレオン君からの、大総統とエドワードちゃんへの
クリスマスプレゼントです!あの子達は、あなた方
夫婦に、24日のクリスマスイブに、まともなデートを
して欲しいんです!!」
「デ・・・デートって・・・・。」
絶句するロイに、ホークアイは溜息をつく。
「大総統、今までちゃんとしたデートをエドワードちゃんと
した事がありますか?」
その言葉に、ロイはハッと息を飲む。
「そ・・・それは・・・・。」
視線を逸らすロイに、ホークアイは言葉を容赦なく
浴びせる。
「大体、恋人期間を設けずに、結婚などするから、
エドワードちゃんにデートの一つも満足にして
あげる事が出来ないんです!遊びで付き合っていた
女性とデートをしたくせに、本命のエドワードちゃんと
ちゃんとしたデートをしていないなんて、男として、
どうかと思いますが。」
ホークアイの言葉に、ロイは一言も言い返せずに
ますます落ち込む。
「フェリシアちゃんからの伝言です。24日だけ
お母様と恋人同士を満喫してください。その代わり、
25日には、フェリシアとレオンのお父様とお母様に
戻って下さい。との事です。」
「・・・・・フェリシアが・・・・。」
茫然と呟くロイに、ホークアイは溜息をつく。
「本当に、良く出来たお子様達です。そのお子様
達の努力を踏みにじるようマネをしたら・・・・。」
ガチャンと、ホークアイは銃をロイに向ける。
「判っている!!今までで最高のデートをエディに
贈る!!」
「判れば宜しい。それから、今日から、フェリシアちゃん
とレオン君は、一週間ソフィア様達と過ごされる
ようです。25日には、そちらの方へ来て欲しいとの
事です。」
「なんだと!!そんな話は聞いていない!」
慌てるロイに、ホークアイは銃口を向ける。
「お子様達の心遣いです。自分達だけで家で
留守番しては、お2人がデートを楽しめないとの
配慮です。それから、エドワードちゃんは、今日は
リゼンブールの実家の方へ帰っています。」
「なっ!エディまで家にいないのかっ!!」
さらに驚くロイに、ホークアイはにっこりと微笑む。
「何のために、イーストシティで待ち合わせると
思っているのですか?」
「しかしだね、法律でも定められているだろう?
家族は何があっても離れてはならないと。」
ロイは、大総統になった時に、常日頃から宣言
している通り、エドと子供達を独占するために、
自分の都合の良いように、法律を変えていた。
本来ならば、クリスマスの時期は、パーティに
出席したりと忙しいのだが、全て廃止したりと、
やりたい放題であった。
「全てご自分の自業自得です!!」
ニッコリと微笑みながら、ホークアイが銃を
撃った時、日付が変わる12時の鐘が、
セントラルの街中に響き渡った。
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