やっぱり狗が好き
自分では、猫が好きなんだけど・・・・・・。
ロイの久々の休暇という事で、エドは前日から、
ロイの自宅に泊まり込んでいた。
穏やかな昼下がり。ソファーに寛いでいるロイの
膝の上に載せられたエドは、ポツリと呟いた。
「何か言ったかね?エディ?」
ロイの胸に耳を当てていたエドの
髪を梳いていたロイは、エドの呟きに、顔を覗き込む。
「ん?別に・・・・ただ、俺って猫が好きなんだけどなって・・・・。」
「猫?」
話の展開がわからないロイに、エドはクスクス笑う。
「そっ。俺は猫が好きなの!でもさ・・・・。」
エドはロイの顔を見上げると、首に腕を回しながら、
耳元で囁く。
「どうして、こんな狗・・・しかも、大型犬に、懐かれて喜んで
いるのかなぁって・・・・・。」
悪戯っぽく微笑むエドに、ロイも苦笑する。
「それは、私も同じだよ。エディ。」
ロイは、エドの顔中に、軽いキスの雨を降らせながら、
エドの耳を甘噛みする。
「私は犬が好きだ。何よりも、その忠誠心。過酷に扱っても
文句は言わんし、給料もいらん。・・・・・犬が大好きだったのだがね。」
エドは擽ったそうに身を捩る。
「どうして、過酷に扱えば、文句ばかり。気まぐれで・・・・・。
その上寂しがり屋の、手間が掛かる猫に、心を奪われてしまったのか。」
ロイはそこで言葉を区切ると、ニヤリと笑う。
「人生最大の謎だな。」
ロイの言葉に、エドは微笑む。
「じゃあ、さぁ・・・・・。」
エドは、ゆっくりとロイの頬に手を添える。
「もしも、ロイの目の前に、犬と猫がいたら・・・・・。」
エドは、指を頬から髪へと移動させると、
ロイの髪を梳く。
「ロイは、犬を取るの?」
ロイは、自分の髪を梳くエドの手を取ると、
そっと自分の口元へ導く。
「やっぱり、猫(キミ)が好きだよ。エディ。」
「俺も、やっぱり狗(アンタ)が好きだ。ロイ。」
二人は、にっこりと笑い合うと、ゆっくりと唇を重ね合わせた。
穏やかな陽だまりの中で、
狗と猫は仲良く過ごす。
別に
狗とか
猫とかに拘る訳ではない。
あなただから拘るのだと。
心地よいまどろみの中で、
二人は同時に感じるのだった。
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大佐の結婚シリーズではありません。
上杉の中では、エドは猫です。
でもって、大型犬に押し倒され、もとい、
懐かれていると。
で、ロイは大型犬ですね。
でも、飼うのは、猫ってイメージが
あります。私だけなんでしょうか?
ロイは、犬と散歩をしている姿より、
書斎の椅子に腰掛けて、膝の上の、
丸まって寝ているいる猫を
起さないように、ジットしている
姿しか思い浮かばないのは。
ちなみに、上杉は鳥好きです。
もう、どれくらい好きかと言うと、
一晩じゃ語り尽くせないほどです。
ポーリーを見て泣いてしまったほどに、
鳥が絡むと平常心がなくなります。
数少ない鳥関連グッズを捜し求めて
三千里。日夜目を光らせています。
(だって、犬猫は多いけど、鳥って
少ないんですよ!!立ちあがれ!
鳥好きの人!!)
実は鳥サイト運営中だったりします。
(こちらは、一般向けなので、
上杉とわからないように、HNを
変えてありますし、リンクも貼っていません。
URLを請求されてもお答えできません。
ご了承下さい。)
話が少々脱線しましたが、感想などを送って
下さると、とても嬉しいです。
