ごめんなさい!ここじゃないですぅ〜。

                      

                        でも、折角このページを探して下さったので、
                        ちょこっとサイドストーリーなんぞを。





                 

                                    
                       「土方さん!待ってください〜!!」
                       本当にさっさと踵を返す土方に、千鶴は慌てて追いかけた。







                       「・・・・・・・・・・・・・行ったか。」
                       土方と千鶴の気配が完全に消えた頃、ゆっくりと
                       原田が身体を起こす。
                       「やれやれだぜ〜。」
                       原田に続き、平助も身体を起こす。
                       「・・・・・・・・・何故(なにゆえ)、寝たふりをせねばならなかったのだ。」
                       続いて、斎藤も起き上がると、憮然とした顔で原田と平助を
                       睨みつける。
                       「だったら、一君だけ起きてれば良かったじゃない?まぁ、あの
                       無自覚な二人の惚気に我慢が出来れば・・・だけど?」
                       最後に布団から起き出した総司が、斎藤の隣に座ると、先程まで飲んでいた
                       杯に手を伸ばす。
                       「なんだ?総司だけちゃっかり布団に入ってたのか?」
                       一体いつの間に・・・・・と、目を見開く平助に、総司はニヤリと笑う。
                       「だってさ、僕が布団に入ってなかったら、土方さんが何を言っても、
                       千鶴ちゃんは、ここをテコでも動かなかったと思うよ?そうなれば、
                       必然的に、土方さんまでここに居座る事になるしぃ・・・・・。面倒でしょ?」
                       「確かにな。きっと、目を吊り上げて、千鶴が総司を叩き起こすんだろうよ。
                       【沖田さん!何をなさってるんですか!!ちゃんと布団に入って寝て下さい!】
                       ・・・・・ってな!」
                       クククと笑う原田に、平助も、ウンウン頷く。
                       「そーだよな。そんで、土方さんも、こう目を吊り上げてさぁ〜。【おい。
                       斎藤に、原田に、平助!それに新八!!お前らもさっさと起きろ!
                       手間かけさすんじゃねぇ!!】とか言い出して、俺達を叩き起こすんだぜ?」
                       平助は両手で目を釣り目にすると、土方の声色を真似る。
                       「・・・・・・・そうして、俺達は全員正座の上、朝まで副長に説教される・・・か?
                       光景が目に浮かぶようだ。」
                       平助の後を引き継ぎ、斎藤が盃を口に運びながら、クスリと笑う。
                       「・・・・・・・・・・まるで昔に戻ったかのようだよね。」
                       自嘲的な笑みを浮かべポツリと呟く総司の言葉に、一同は何とも言えず、
                       黙り込む。
                       そんな重苦しい空気の中、総司は、クスリと笑いながら、酒を皆に勧める。
                       「嫌だなぁ。何辛気臭くなってんですか。今日はトコトン飲みましょうよ。」
                       「・・・・・・・・そうだな!よし!今日は目いっぱい呑むぞぉ!!」
                       総司の言葉に、平助がパッと顔を上げると、総司が注いだ盃を手に取ると、
                       一気に飲み干した。

 



                       「・・・・・・・・・・・でも、土方さんばっかりズルいと思っちゃうんだよねぇ。」
                       散々飲み食いした後、漸く目が覚めた新八を引き摺る様にして、
                       皆が屯所へ戻った後、総司は一人文机に向かっていた。
                       「千鶴ちゃんは、みんなの千鶴ちゃんなのに、独り占めしちゃって。」
                       総司は、ゆっくりと筆を走らせながら、一人文句を言う。
                       「・・・・・・・・・・・・これくらいは、ご愛嬌だよねぇ。さってと、土方さん、
                       どんな反応を示すかな。」
                       クスクス笑いながら、総司は殊更丁寧に宛名を書き記すと、
                       そっと筆を置いた。