I don't know how
            〜 世界でいちばん大切な君に 〜


          世界でいちばん大切なお前・・・。
          俺は・・・・お前にとって何なんだろう・・・。
          親友?相棒?
          そんな言葉でしか言い表せないのか?
          俺は・・・お前を・・・・。


          「京一!」
          「うわあ〜!」
          いきなり、耳元で怒鳴られ、京一は、慌てて飛び起きた。
          「おはよ!京一。」
          そんな京一に、龍麻はにっこり微笑むと、京一の頬に軽くキスをする。
          「ほら、さっさと顔を洗って来い。」
          そう言って、龍麻は京一から離れようとしたが、京一は龍麻の腕を掴むと、
          そのままベットに引き摺りこんだ。
          「京一〜!」
          「へへっ。やっと全てが終わったんだ。二人っきりでお祝いしようぜ!」
          京一は、嬉々として龍麻の服を脱がすと、首筋に顔を埋めた。
          「くっ・・・。きょうい・・・ち・・・。」
          龍麻は無け無しの理性を総動員させ、なんとか正気に保つと、だんだんと
          下腹部へと舌を這わせている京一の頭を、思いきり殴った。
          「いって〜!何すんだ!ひーちゃん!」
          後頭部を抱え込んで、身を起こす京一の隙をついて、龍麻はベットから
          下りようとしたが、寸での所で、京一に後ろから抱き締められた。
          「龍麻・・・。」
          耳元で囁かれる京一の声に、龍麻はそれだけで、息が上がりそうになる。
          「やっと戦いが終わったんだぜ。」
          京一が龍麻の耳朶を軽く噛む。
          「俺ともっと一緒にいたいとは、思わないのか?」
          京一の指が、龍麻の身体に沿ってゆっくりと動く。
          「きょういち・・・。」
          甘い息とともに囁かれる龍麻の声に、京一は微笑むと、
          ゆっくりと龍麻の身体を押し倒した。


          「で?理由はなんなんだよ。」
          情事の後の余韻に浸りながらも、龍麻は京一を見つめながら言った。
          「理由?」
          京一は訳が判らないという顔をしながら、腕の中の龍麻の顔を覗きこんだ。
          「最近のお前って、変だ。」
          きっぱりと言う龍麻に、京一は黙って耳を傾ける。
          「いくら戦いが終わったからって、仲間じゃないか。それなのに、みんなからの
          遊びの誘いを勝手に断るし。道で会ってもロクに挨拶もしない。それに・・・。」
          龍麻は、そこで一旦言葉を切ると、京一から視線を逸らした。
          「それに?」
          京一の先を促す言葉に、龍麻は項垂れたままだ。仕方なく京一は龍麻の顎を
          捕らえると、無理やり自分の方を向かせた。
          「それに・・・何時もお前の身体を求めるということか?」
          京一の言葉に、龍麻は無言で頷いた。
          「変だよ。京一・・・。」
          龍麻の呟きに、京一は溜息をつく。
          「すまねぇ。」
          「別に謝ってほしいわけじゃない。ただ・・・・理由が知りたいだけなんだ。」
          まっすぐ自分を見つめる龍麻に、京一は苦笑した。
          “全く・・・、お前には適わないな・・・。“
          「実は・・・・。夢を見るんだ。」
          「夢?」
          訝しげな龍麻に、京一は頷いた。
          「あぁ。まだ、ひーちゃんに告白できずにいた頃の夢を。」
          京一の告白に、龍麻は黙って耳を傾ける。
          「変なんだよな。夢の中でも夢って見るんだぜ?ひーちゃんに告白できずに
          悩んでいる俺は、夢をみるんだ。お前が俺ではない、誰かと行ってしまう
          夢を・・・・。」
          京一は、龍麻をきつく抱き締めた。
          「不安なんだ。ひーちゃん。やっと戦いが終わったというのに・・・。
          もしかしたら、夢の中の俺が現実で、今の俺の方が夢なんじゃないかってな・・・。
          だから、ついお前を求めてしまう。お前が俺以外の人間と話しているとムカツクんだ。」
          龍麻は、京一の背中に、腕を回した。
          「胡蝶の夢だな・・・。」
          龍麻の呟きに、京一は腕の中の龍麻の顔を覗きこむ。
          「あのさ、どっちもお前なんじゃないの?」
          にっこりと微笑む龍麻に、京一は首を傾げる。
          「ひーちゃん?」
          「だって、どっちの京一も俺の事を愛しているんだろ?」
          「勿論。」
          間髪入れずに、きっぱりと断言する京一に、龍麻はくすくす笑うと、京一に抱きついた。
          「だからさ、向こうの京一の想いも、必ず向こうの俺に通じると思うぜ。
          今の、俺達のようにな。」
          龍麻の言葉に、京一の中にある不安が徐々に消えていく。
          「それに、俺達あの戦いにも生き残れたんだ。信じていれば、必ず叶うって、
          前にお前が言った言葉だぞ?」
          「ひーちゃん・・・。」
          京一はきつく龍麻を抱き締めた。
          「京一・・・。愛している。お前が不安だというなら、ずっと抱き締めているから。
          まず俺に言ってみろよ。何があっても、絶対に受け止めてみせる。何時だって、
          俺はお前と共に歩いていくよ・・・・。」
          京一は、龍麻の言葉を聞きながら、ゆっくりと龍麻に口付けした。


              I Love youよりもっと愛している人に云おう
              世界でいちばんSo大切にSo大切にしてあげる
              So Please stay with me
                                                              
                                                  FIN.