「京一!京一!!」 カレンダーを、ぼうっと眺めていた龍麻は、あることに気がつき、慌てて 京一を振り返った。 「?どうした?ひーちゃん。」 丁度、お風呂から上がって、濡れた頭をゴシゴシ拭いていた京一は、 龍麻の声に、振り返った。 「・・・・・。」 驚いた顔で、目を見張る龍麻に、京一は訝しげの視線で見つめた。 その視線に気づき、ハッと我に返った龍麻は、ポッと頬を紅く染めた。 「どうした?俺に見惚れたか〜?」 京一のからかいに、龍麻はコクンと頷いた。そんな龍麻の様子に、 京一はあれ?と首を傾げる。 「どうしたんだ?今日はえらく素直じゃん。」 まっ、俺はその方がいいけどな。と、京一は龍麻の体を抱き締める。 「・・・あのさ、京一・・・。」 暫く大人しく抱き締められたままの龍麻は、ポツリと呟いた。 「?」 「京一って、俺のどこが好きなの?」 思いつめたような表情で、京一を見つめる龍麻を、京一はきつく抱き締めた。 「・・・・さぁな。別に理由なんかねぇ。気がついたら、ひーちゃんの事で 心が一杯になっていた。」 そう言うと、京一は優しく龍麻に口付ける。 「その時思ったんだ。あぁ、魂の半身に出会えたって・・・。」 「魂の半身・・・?」 龍麻は首を傾げた。 「人は魂を半分しか持たずに、この世に生を受けるんだ。何故、魂を半分しか 持たないかって言うと、人生って魂のもう半分を捜す旅でもあるからだ。人生の 最初で見つかる者。人生の終わりで見つかる者。全然見つけられない者・・・・。 人それぞれだ。」 そう言うと、京一は龍麻の顔を覗き込む。 「ひーちゃんに会って判ったぜ。どんどん欠けていた魂が埋められていく感覚に、 その時思ったんだ。あぁ、ひーちゃんが俺の魂の半身なんだって・・・。」 「・・・京一・・・。」 「で?何でひーちゃんのどこが好きかって聞いたんだ?」 途端、真っ赤になる龍麻。 「そ・・それは・・・。京一がすごくカッコ良くって・・・。俺のどこが気に入ってくれた のか・・・・。」 「不安なのか?」 コクリと頷く龍麻に、京一はますます龍麻を抱き締める。 「あのなぁ、ひーちゃん。ひーちゃんを愛している言っただろ?何がそんなに、 不安なんだ?」 「そ・・それは・・・。」 「俺、1年前の今日、ひーちゃんに告白してから、今までひーちゃんに愛情を 疑われる行為をしてねぇぞ!」 京一の言葉に、龍麻はハッとする。 「京一・・・今日の事・・・。」 「勿論覚えているさ!なんせ、蓬莱寺京一、一世一代の大告白だったからな。」 ニヤリと笑う京一に、龍麻はにっこり微笑む。 「・・・・京一・・・。」 「だからさ・・・ひーちゃん・・・。」 京一は龍麻の耳元で囁く。その言葉に真っ赤になりながらも、龍麻はコクリと頷いた。 「ひーちゃん・・・。愛しているぜ・・・。」 ゆっくりと龍麻を床に横たえる京一の首に、龍麻は腕を回し、きつく抱き締めた。 ・・・・・ずっと 一緒だよ・・・。 FIN, |