「さやかちゃんの歌声最高だよな。」
テレビを見ながら、うっとりした顔で京一は言った。そんな京一の
表情に、俺は小さな嫉妬を覚える。で、ついぶっきらぼうに答えてしまう。
「・・・・そうだな。」
あぁ、いつから俺ってば、こんなに心が狭くなったんだろうか。仮にも
仲間なのに、嫉妬するなんて・・・・。
「?ひーちゃん?どうかしたのか?」
俺の様子がおかしい事に気づいた京一は、俺の顔を覗き込む。
ドキッ・・・・。
至近距離の京一のアップに、俺の動悸は、は早鐘のように早くなる。
京一と恋人同士になって、ずいぶん経つのに、未だに京一が傍にいる
だけで、こんなにドキドキする。
「なぁ、どうしたんだよ。ひーちゃん。」
何も答えない俺に、京一は業を煮やして俺を引き寄せた。
「うわぁ。」
京一の胸に倒れこんだ俺を、京一は、まるで縫ぐるみを抱きしめるように、
ギュッと抱きしめた。
「・・・・もしかして、さやかちゃんに嫉妬したか?」
「!!」
図星を指され、俺は知らず赤くなる。
「へへっ。嬉しいぜ!ひーちゃん!!」
京一は嬉々として、俺を押し倒すと、俺の首筋に顔を埋める。
週末のいつもの風景。いつものように、京一が傍にいる幸福に、俺は
幸せを感じ、目を閉じた。
FIN.