本当は、誰にも言ってはいけないの。
そう、目の前の黄金の子供は、
くすくす笑いながら、そっと私に耳打ちする。
「オレの本当の名前は、・・・・と言うの。」
大事な秘密を教えてくれた子供の頭を
優しく撫でる。
「私に教えても良かったのかい?」
少し、戸惑う表情で尋ねると、子供は、太陽の
ような笑顔を私に向ける。
「大丈夫!オレ、アンタが好きだから!」
初めて逢った人間に、
良くそんな事が言える。
これも、子供だからなのだろう。
しかし、君はもっと私を警戒しなければいけなかったんだよ?
「秘密を教えてくれてありがとう。」
そう微笑むと、子供は幸せそうな顔で微笑む。
だが、その太陽のような笑顔ですら、既に闇で閉ざされた
私の心には、一筋の光を与えてはくれない。
「いつか、また逢えたら・・・・・。」
私は、そっと子供に耳打ちをする。
「その時は、私の役に立ってもらうよ。」
可哀想な子供。
私に出会わなければ、
光の中で暮らせたのにな・・・・・・・。